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≪Blog≫日本の常識は世界の非常識?「手洗いうがい」の習慣の違い

日本の常識は世界の非常識?「手洗いうがい」の習慣の違い

 

「外から帰ってきたら手洗いうがいをする」
「家の中では靴を脱ぐ」
「毎日入浴して身体の汚れを落とす」

これらの生活習慣は日本人にとって当たり前と言えます。
一方、諸外国から見れば日本特有の習慣であり、
これまでは摩訶不思議なことと見なされることもありました。

しかし、コロナウイルスが猛威を奮い始めてから、
上記のような日本の習慣は衛生的であると
世界的に評価を受けるようになったという事実は、
ご存知の方も多いと思います。

例えば、日本でも洋式のホテルは全室土足だったり、
海外へ行くとホテルの浴室にバスタブが無かったりという事から、靴の脱着や
入浴の習慣については日本特有だと言われると何だか納得ができます。

しかし、「手洗いうがい」の習慣については、
実際に海外で生活をして現地の人々の行動様式を観察しなければ、
日本独特の文化だと改めて言われても、
納得がいかない方がいらっしゃるのではないでしょうか。

「手洗いうがい」が衛生上、良い行いであるという認識は、
以前から諸外国でも変わりはありません。
しかし、日本ではその重要性を子供の頃から指導されます。
外から帰ってきたら、食事の時には、
トイレの後は、など折々で“手を洗いなさい”、
“うがいをしなさい”
としつけられるのは日本ぐらいなのです。

日本では「手洗いうがい」の文化が千年以上前から根付いていると言われています。
1500年ほど前に疫病が大流行した際、
当時の天皇が神社に手水舎を設置し、
参拝時に手と口を清めることを推奨したのだそうです。
それが、日本人が手洗いうがいの習慣を身に付けるきっかけになったと考えられています。
また、昔から水資源が豊富な土地だったからこそ
習慣化に至ったとも言えるでしょう。

コロナ禍に突入して以降、自社で働く外国人材に衛生指導をする苦労を多く耳にするようになりました。
衛生指導と一口で言っても多岐に渡りますが、
「手洗いうがい」もその一つです。

日本で生まれ育った者にとってはごく基本的な行動様式ですが、
もともと母国に日常的な「手洗いうがい」の習慣がない外国人材にとっては新鮮な行為なのです。
そのため、いつ・どこで・どのように行うのか、
手洗いうがいによってどのような効果が得られるのか、
という細部まで丁寧に説明しなければ、
その大切さを分かってはくれないでしょう。

仮に職場では“ルールだから”と「手洗いうがい」をきっちり行っていても、
もし重要性が理解できていなければ、
職場の外ではおろそかになってしまいかねません。

また、口頭や文章、図で説明するだけでなく、
実際に手洗いうがいの場面を見せて説明しなければ、
仕方に個人差が生まれる可能性があります。

なお、日本人が当然のように携行している手拭き用のハンカチも、
外国人材は家にさえ無い可能性があります。
なぜなら、「自分のハンカチで手を拭く」文化も日本特有だからです。

以前、何名かの外国人材に、手洗い後に手や口を拭く時の状況を
尋ねたことがあります。
すると、備え付けのハンドペーパーなどがあればそれで拭くが、
もし無ければ、服でぬぐったり、拭かずに自然乾燥させたりする、と答えました。
“それは日本では不衛生だとみなされる”と
その方たちに伝えると、全員が首を傾げていたのが印象的でした。
職場の内外での衛生指導を徹底したい場合は、
ハンカチを持っているか、きちんと洗い替えしているか等のチェックもおすすめします。

ただし、決して忘れてはいけないのは、
指導の際、「手洗いうがい」が母国で習慣化されていない事を非難したり、
悪と断じたりしてはいけないという事です。

なぜなら、諸外国の中には、
水資源の不足や水道水の衛生状況などから、
容易に手洗いやうがいが出来ない国もあります。
また、外国には外国なりの衛生観念や行動様式があり、
そこに住む人々にとってはそれが常識だからです。

日本の習慣を重んじてほしい、
と外国人材へ伝えるには、
まずは伝える側がその外国人材にとっての習慣を尊重しなければ示しがつきません。
それは、今回取り上げた衛生指導についても同じなのです。

外国人材を採用する際に心得ておくことの一つに
“日本の常識は世界の非常識“ということを
常に念頭に置いておく必要があると考えます。
また、その逆の”世界の常識は日本の非常識“もしかりです。

国の気候や風土、宗教などによって、
それぞれの国の人の“ものの考え方”や
“価値観”、“習慣”が違うということをお互いに理解し、
歩み寄る姿勢が多文化共生の早期実現に向けて、
最も大切なことではないでしょうか。

 

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